情報の価値を考える IBM Lotusphere 2010レポート(2)

2日目に行われた基調講演には、前Lotusソフトウェア事業部のゼネラルマネージャーであるボブ・ピッチャーノ氏が登壇。情報共有の価値について言及した。
「これまで何度となく情報共有の重要性を説いてきたが、今後もその傾向は続く。情報の肥大化に伴い、情報は埋没する可能性が出てくる。これに対し企業は、全社としてはもちろん、チーム間の情報共有と活用を今こそ見直すべき」と強調した。

続けてスペシャルゲストが登場した。毎年Lotusphereではゲストを招待するのが恒例となっているが、誰が招待されるのかはIBM社内でもごく一部の関係者しか知らないという。今年はアメリカでは絶大な人気を誇るドラマ「スタートレック」のカーク船長役で知られるウィリアム・シャトナー氏が招かれた。

大きな拍手の中迎えれたシャトナー氏は、映画製作におけるコラボレーションの重要性を指摘した。ちょうど世界で公開中の「アバター」を例えに出し、成功の秘密をこう述べた。「映画において一番難しいのはコラボレーション。撮影技師や特殊メイク、衣装係などのさまざまな役割をこなす人たちの絆を強めない限り映画の成功は難しい。アバターはこうしたチーム力の結束が感じられる」と評した。さらに、「何千ものスタッフが関わる映画製作の場合、問題を発見しやすくするのにコラボレーションが必要。多くの人が連携することで脚本家や俳優の才能を引き出すことができる」とし、関係者全体の意思疎通が映画全体の魅力を引き出せる点を声高に訴えた。

シャトナー氏の登壇で一気に熱を帯びてきた聴衆に対し、ピッチャーノ氏がまくしたてる。「今こそコラボレーションを展開するチャンスだ! 新しいテクノロジーを取り入れる企業は勝ち組で、この不況の中でも生き残れる」と述べ、「Lotusによって企業はコラボレーション能力や役割をアップできる。企業のイノベーションを理解できる」とまとめた。

また、現在のLotus Notesの利用状況について、「Notes8以降、新規ユーザーも着実に増えている。これまでに約2万近い新規ユーザーを獲得した」とし、導入事例が芳しくないと思われがちな、Lotus Notesの現状を報告した。